生産者の想い

あけぼの大豆のブランド化を求めて

あけぼの大豆は”強い甘み”と”大きなサイズ”、”食味”が一般的なものと違うことから、毎年10月の産地フェアには多くの来場者が押し寄せ、土日開催にも関わらず2016年は4,000人強の「あけぼの大豆」ファンが来場した。リピーターだけでなく「あけぼの大豆」の噂を聞きつけた新規参加者も増加し続けています。

その収穫フェアの下山会場を管轄するのが結いの里しもべ 代表理事 佐野和彦さんです。

結いの里しもべ としての取組み

結いの里しもべは、有機野菜の効率的な生産に取り組み、自立経営を目指す目的の下、30年間も放置されていた竹之島地区の荒廃地をいかに農地にするか?というところから、定年退職した5名によりジャガイモや米など「あけぼの大豆」にとどまらない野菜作りからスタートしました。
「あけぼの大豆」の産地フェアが開催されしばらくした頃、偶然、フェアに参加した名古屋の豆問屋の目に留まったことが、佐野さんが「あけぼの大豆」の普及推進に尽力することに繋がりました。
豆についての専門知識を豊富に持つ豆問屋から「あけぼの大豆の枝豆は素晴らしいので、もっと世の中に広げるべきだ!」というプロのお墨付きをもらったことが大きな自信に繋がったと言います。

あけぼの大豆を軸とした人とのふれあいの大切さ

幼少期から何気なく当たり前のものとして食卓にあった「あけぼの大豆」。その価値の高さにあらため気づかされながら、佐野さんは来場者一人ひとりの声に寄り添い耳を傾け、収穫体験後もお知らせを送るなどの関係を築いてきました。
収穫体験を通じた生産者としての小さな心配りが「あけぼの大豆」の味の品質も相まって徐々に評判を呼び、来場者が青空の下での収穫を通じて多くの方々が自然と触れ合いながら農業の楽しさを知る機会に成長していきました。

今後はさらに「新規就農者の育成、肥料の使い方や無農薬農法、雑草が生えない農地作りなどの新たな農法を確立したい」という佐野さんの想い。そして、産地フェア参加者が「あけぼの大豆」をきっかけに身延町に訪問して頂き、自然の魅力を体験する。子供が泥んこまみれになって昆虫を捕まえたり、川でびしょ濡れになりながら遊んだり、自然を感じたりすること。「若い世代(ファミリー層など)が農業に触れることで大事な何かを少しでも感じてもらいたい」そう、佐野さんは話します。

佐野さんのこれからの想い

佐野和彦さんをはじめ、結いの里しもべでは、今後も集積面積の拡大、荒廃農地の再生、減農薬・無農薬栽培で安心安全で美味しい農産物生産、地域の特産物を使った農産加工などに取り組み、「あけぼの大豆」を通じた身延町の魅力を伝えていきます。