生産者の想い

この地でしか生育しない種子の生産していくこと

稀少価値の高い大豆 あけぼの大豆。その一方で、生産者の高齢化により農家が減り、曙大豆の種子を生産する農家も減っている現実もあります。身延町曙地区の遠藤嘉一さんは、ブランド大豆としての”曙大豆”の種子が絶えることのないよう日々、取り組んでいます。曙大豆粒の大きさ、強い甘みの理由には、標高660㍍に位置する身延町曙地区の昼夜の寒暖差と適度な湿度、虫害の少なさ、小石が多く痩せた土地に要因があります。そのため他地域で栽培する大豆は、元々のサイズ・甘み・食味のものを生産することが出来ません。種子の生産は身延町曙地区でしかできない。限られた土地で限られた人により種子の生産が続けられている現実。

あけぼの大豆が紡いできたストーリー

深刻な後継者不足の問題。そこで身延町では、この稀少な種子を守るために、2016年3月に「身延町あけぼの大豆振興協議会」を発足して、曙地区に試験ほ場の確保による優良な種子の栽培事業に着手してきました。

『戦後の貧しい時代、弁当用の米がなかった時は大豆を食べた。また、農作業をする人がいなかったこともあり、牧草地にヤギを放ち、その土地で大豆を生産していた』と、昔を振り返りながらも、標高の高い山で一人、日々、大豆の種子をつくり続ける遠藤さん。

『戦後の貧しい時代、弁当用の米がなかった時は大豆を食べた。また、農作業をする人がいなかったこともあり、牧草地にヤギを放ち、その土地で大豆を生産していた』と、昔を振り返りながらも、標高の高い山で一人、日々、大豆の種子をつくり続ける遠藤さん。


あけぼの大豆の枝豆は10月に収穫をむかえ、出荷期間は約25日間。その間に枝豆の選別、洗浄、袋詰めにかかる人手が大きく、朝から夜中まで作業が続けられます。

この地と共に生きていくということ

この地と共に生きる、遠藤さんにとっては、あけぼの大豆は人生そのもの。決して、その種子を絶やすことは出来ない。その理由は『つくった種子で生産されるあけぼの大豆は、それを食べて”美味しい”という多くの消費者の笑顔で支えられている。だからこそ、手間暇かけてやる意味がある』という、遠藤さんの根底を支える想いがあるからこそのこと。


『生産を通じて色々なことを経験してきたからこそ、自然との関わり方の中での生産方法を学び、考え、いかに効率よくできるかを追求し続けることが出来た、ある意味で子供を育てていくようなもの』と笑顔で話す遠藤さんの言葉には年齢を感じない力強さがありました。