生産者の想い

5年前、知り合いの紹介であけぼの大豆の拠点施設で働き始めた南部町出身の岩本さん。

幼い頃、祖母の手伝いであけぼの大豆を使った味噌を作るのが毎年恒例の行事であり楽しみの一つでもありました。拠点施設で働き始めた頃は事務業務が主でしたが、調理補助として製造にも関わるようになりました。初めて試食をした時の蒸し大豆が「何かの味に似ている…そうか!栗の味に似ているんだ」と感じたことがMinoぶらんの生まれる原点でした。

数年たったある日、役場の方から「若年層にも気軽に食べてもらうにはスイーツにして商品開発出来ないかな?」という相談を受けました。大豆をスイーツにするという発想がなかった岩本さんでしたが、初めて食べた蒸し大豆の味を思い出し、ぼんやりとイメージが浮かんだのが栗のスイーツ「モンブラン」でした。その閃きと味の記憶をきっかけにMinoぶらんの開発がスタートしました。

試行錯誤のMinoブラン開発と偶然の閃き

開発がスタートしたものの、大豆をペースト状にしたスイーツの事例はなく、これといった正解がないゼロから始める開発は試行錯誤の連続でした。栗に比べて油分が多い大豆をペースト状にするのには大豆の蒸し時間と水分量を調整し、口当たりを滑らかにする為に作業工程を工夫する必要がありました。「作る→試食→課題が生まれる」繰り返す地道な作業と向き合いながら半年以上の期間を経て大豆クリームが完成しました。

上品で甘さ控えめな大豆クリームにアクセントをつける為、元地域おこし協力隊の幡野さんが開発したソイコティーの粉末を仕上げにふりかけました。ソイコティーの香ばしい香りと大豆クリームの上品な甘さが重なり、あけぼの大豆の個性が引き立つ新感覚・新触感のオリジナルスイーツが出来上がりました。

消費者に商品として認められた嬉しさ

パッケージも若年層が目を引くポップで可愛らしいデザインに仕上げる事が出来ました。Minoぶらんは一つ一つ手作りの為、一回で作れる量が限られています。(50個/日)

発売当初、毎月出店している特定のイベントで限定販売していましたが、リピーターやマスメディアによる反響が大きく、予想を上回る盛況で完売が続きました。若年層にも気軽にあけぼの大豆を食べてもらいたいという想いが伝わり、岩本さんも消費者に認められた確かな手ごたえを得る事が出来ました。

あけぼの大豆のスイーツに想いを込めて

「Minoぶらん」という商品が出来たことにより、あけぼの大豆には色々な可能性があると感じました。 希少価値の高い身延町の「あけぼの大豆」を気軽に美味しく食べてもらえるベース作りが出来たので、これからも自由に柔軟な発想を大切にしていきながら、和洋を問わず様々な商品を開発し消費者の元へ届けていきたい。岩本さんの探求心とあけぼの大豆への想いはこれからも高まるばかりです。