作り手によるあけぼの大豆のストーリー

川口建設あけぼの大豆生産部望月 治さん

平成22年から耕作放棄地を開拓して”あけぼの大豆”の生産を始めた望月さん。身延で育ち東京で働いた後、身延に戻り建設会社に入社。自分の育った地で価値の高い大豆が生産されていること、そしてその大豆がこの地特有の気候条件もあり他の地域では生育できない稀少性の高いものであることを知り、4年前から少しずつ耕作地を広げ”あけぼの大豆”を生産されています。

少しずつ拡大してきたことの後押しとなっているのは、毎年開催される”産地フェア”で県内外から収穫体験に参加しにくる多くの人の笑顔であり、消費者からの生の声でした。2日間連続で来場される方々や近隣市町村だけでなく東京や神奈川県からの来場者もおり、年々、その評判が評判を呼び”あけぼの大豆”の価値についての認知度が高まっています。
望月さんは、“産地フェア”の来場者に毎回、枝豆の試食をしてもらうようにしています。試食を通じて会話が生まれ、美味しい食べ方を知ってもらうための”茹で方、塩加減”などレシピについての説明もトーンアップしていく。

たとえば❶塩水が沸騰する直前に枝豆を湯に入れ6-7分間 ❷粗熱をとって冷水(氷水)に3分間つけ、実を引き締める ❸水気を取って、新鮮なうちに食べる

いたってシンプル。でも、その通りにするのとそうでないのとでは、味の引き出し方がやはり違ってきます。こうした食べ方を通じたコミュニケーションをとることは、”あけぼの大豆”を生産する望月さんにとっての糧となっています。
『”今後は更に付加価値の高い大豆として世に出していきたい。真空パックで保存したり、冷凍保存により鮮度を保った展開はできないものか?丹波の黒豆は美味しいけど、決してそれに引けをとらない味をもっと知ってもらいたい”』そう、望月さんは話します。
“サイズ、強い甘味、食味”が一般的な大豆と格段に違う”あけぼの大豆”。もちろん生産における苦労もあります。
6月中旬-7月上旬の雨季の終わる頃に種を撒く。晴れの日が続き過ぎると芽が出ても上手く生育せず、雨が続くと水が溜まり、育ちにくくなる。ハトなどの鳥による被害も並行して出てくる。9月の台風による長雨が続くと発育にも当然、影響が出てしまう。また、芽が出て生育する過程で枝豆の影にならないよう大きくなる葉を切り落としたり、葉を切りすぎると幹ばかりが大きくなるため、そのさじ加減が必要となる。一筋縄でいかない難しさがあります。

望月さんの生産する”あけぼの大豆の”こだわりとして、出来る限り無農薬に近づけるため、落ち葉や堆肥を使っています。二毛作で小麦を作っていることも自然に近い製法への心がけの表れでもあります。『大豆だけの畑であるよりも、大豆生産以外の時期に小麦を作り、その藁が土に交じって肥料となることで養分になる。その養分がやがて”あけぼの大豆”にとってのプラスになっていく』と望月さんは考えています。

12月上旬-中旬にかけて、約1万平米の畑で枝豆から大豆になったあけぼの大豆の収穫を行っていきます。10月まで青々と生い茂った”あけぼの大豆”の枝豆が茶色い大豆に変わる今の時期。機械でふるいにかけ、大豆を天日干しし、味噌や豆腐、湯葉などの加工品へ姿を変えて、やがて各家庭に届けられます。

身延町の”あけぼの大豆”はそうやって巡回していく。「今後、”あけぼの大豆”の加工品が今以上に展開していくことで、枝豆、大豆加工品という”あけぼの大豆”の魅力を広く伝えていきたい」、そう望月さんは想いながら、大豆の収穫に精を出されています。

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